2020年 労働法関係の法改正(施行)とは!?
2020年も労働法関連の法改正(施行開始)がありました。
先ずは、昨年の振り返りからお伝えしたいと思います。
コロナ禍ではありますが、昨年も法改正はありました。
主な改正事項は・・・
- 働き方改革関連
- ハラスメント関連
- 消滅時効
2020年4月施行
①同一労働同一賃金(大企業・派遣)
最高裁判所の判例もでました。今後、評価制度の設定なども必要になってきています。
事業主には、説明を求められた場合は書面により説明する義務があります。
職種(正社員・パートなどの区分)と手当の種類が多い企業には、早急に対応が必要です。
②消滅時効が2年から3年へ(暫定処置)
賃金請求権の時効が1年延びます。
未払い賃金(又は残業代)は多くの企業で発生しております。
労働基準監督署が出している平成30年の統計では、監督指導による未払い賃金の是正件数は
約1,700の企業であり、未払い総額は124億円になっております。
現在、労働者が簡単に「未払い残業代」を計算できるサイトも多くあります。
企業のリスク回避対策も急務です。
③時間外労働の上限規制(中小企業)
時間外労働の上限は、原則 「月 45時間まで」 「年間 360時間まで」となった。
法律になったため、違反すると罰則があります。
④36協定の様式が変更になる
など
2020年6月(大企業)
改正労働施策総合推進法
職場でのハラスメント対策の強化を企業に義務付けています。
中小企業は令和4年から義務へ。(現在は努力義務)
過去の判例をみると、ハラスメントが原因による自殺やセクハラ訴訟などにより、多大な賠償金額になっております。
企業側にも「使用者」として
損害賠償請求や社会的信用失墜のリスクがあります。
2021年の主な改正事項
同一労働同一賃金の開始
- 対象:中小企業です。
- 開始:2021年4月から
不合理な待遇差の禁止になります。
職種などにより、手当などの待遇に差異がある場合には、事業主に説明義務が生じます。
以前よりも、「働く」とい価値観が変わってきております。ただ報酬を得るためではなく、自分の成長や社会貢献を考える傾向が強くなってきております。新卒採用をされている企業では、特に感じていることだと思います。
同一労働同一賃金に伴い、人事制度や賃金制度の見直しが必要です。
高年齢関連の改正
- 対象:全ての企業です。
- 開始:2021年4月から
- 内容:「70歳までの就業確保」が努力義務としてルール化されます。
2025年4月からは、全ての企業に65歳定年制が義務化されます。
子の看護休暇・介護休暇の時間単位取得
- 対象:全ての企業です。
- 開始:2021年1月から
- 内容:すべての労働者が取得可能になる。1時間単位で取得可能。
因みに、取得単位が変更になっただけなので、休暇については無給でも構いません。
障がい者の法定雇用率の引き上げ
- 対象:常時雇用する労働者数が「43.5人以上」の企業
- 開始:2021年3月から
- 内容:2.2% → 2.3% へ引上げになった
「常時雇用」とは、週の所定労働時間が20時間以上で1年以上の雇用見込みの労働者です。
36協定の押印不要に
- 対象:すべての企業
- 開始:2021年4月から
- 内容:押印不要になる
2022年以降も、大きな法改正は予定されております。
社長のビジョンを実現する方向で、企業設計をしていく必要があります。