不動産を相続するということ


不動産は、一般的には取引することが少ないものです。
しかも引き継ぐことを考えると、一筋縄ではいきません。

私は、前職が不動産関係の営業をしていました。
建築を前提に、資産活用や相続税対策の提案営業で500人以上の不動産オーナーや不動産投資を検討している人に、「コンサルティングセールス」をさせて頂きました。
その経験と「行政書士」「社会保険労務士」のダブルライセンスを活かした多角的なアドバイスを得意としております。
行政書士は「街の法律家」です。官公署に提出する書類の作成や相続についての専門家です。
社会保険労務士は「年金・労働社会保険・労務」の専門家です。
不動産オーナーの「生の声」を踏まえて、法律的な面と社長が不動産を所有している場合は、会社の承継問題も含めた多角的な視点でのコンサルティングをしていきます。
不動産の知識だけでは足りません。
市場の状況と今後の空き家問題や人口減少も踏まえた長期的な見通しも必要です。

なぜ、不動産を引き継ぐのは大変なのでしょうか?
私はこれまで不動産オーナーの悩みを多く見てきました。
不動産は増やすときよりも、承継(引き継ぐとき)のほうが大変で、トラブルになりやすい性質です。
「不動産オーナーの悩みや問題を解決したい!」
それが創業のきっかけです。

不動産承継には広範囲な知識が必要とされるため、多角的な視点が大事になります。
税金・建築・宅建業法・民法などの多角的な視点からの解決方法を探らなければ何処かに落とし穴が潜んでいます。
「この専門家に聞けば全て解決!」とは、なかなかなりにくい状況です。

例えば・・・
税金のプロ⇒税理士
建築のプロ⇒一級建築士
不動産のプロ⇒宅建士
民法のプロ⇒弁護士・司法書士・行政書士
登記のプロ⇒司法書士
他にも必要とされる視点はあります。

それぞれの分野ではスペシャリストですが、他の分野には詳しくないことが多い状況です。
特定の分野の知識だけでは、対応できません!

なぜ不動産の承継が大変なのか

個人でも法人でも承継を考えた時に、不動産の承継という問題があります。
不動産の知識と相続の知識を持った人が必要です。
相続や事業承継で起こるトラブルの多くは「不動産」の分け方が原因です。

<なぜ不動産の承継が大変なのか?>
① 分けにくい
② 評価がしづらい
③ 専門的で広範囲な知識が必要

①分けにくい

現金などは分けやすいですが、不動産は分けにくい資産の代表です。
(ケース1)
「共有の持ち分にすればいいのでは?」
確かに、分けるときだけは簡単です。しかし想像してみて下さい。
例えば3人の子供で共有したとき
それぞれの子供には家庭があり、更に相続が発生すると共有人数も増えていきます。
「各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。」
(民法251条)
不動産の売買などは「変更行為」にあたり、共有者全員でしなければなりません。ですから先の例のような子供が3人で共有状態にあり、更に相続が発生して共有者が増えたら・・・。意見がまとまらない確率が高くなります。
共有者が単独でできるのは「保存行為」のみです。(例:所有している土地の草刈りをした等)

(ケース2)
「土地(更地)を分筆すればいいのでは?」
公平に分けられるのであれば問題ありません。しかし、公平になるケースが少ないと考えられます。
例えば、更地400坪を半分にすると、登記上は公平です。地積が同じですから。実際は、方角・接道の長さ・隣地建物との関係・路線価等を踏まえて考えなければなりません。

②評価しづらい

動産(不動産以外の物)であれば、ある程度の価値基準は決まっております。しかし不動産の評価額を算出するのは困難です。
不動産の評価は一般的に「一物四価」と言われております。これは、四つの価値が存在するという意味です。
四つというのは
1.実勢価格
2.公示地価
3.路線価
4.固定資産評価額

1.実勢価格
実際の市場で売買されている価格のこと。平均的な過去の売買価格。

2.公示地価
一般の土地取引価格の指標となるもの。毎年3月に発表される。
公示地価法により国土交通省が全国に定めた地点を対象に、毎年1月1日時点の1㎡あたりの土地の価格を公示したもの。

3.路線価
路線価には、相続税路線価と固定資産税路線価があります。相続税路線価とは、相続税・贈与税の税額計算に使う土地の価格。固定資産税路線価は固定資産税の計算に使用します。毎年7月に国税庁が発表します。

4.固定資産評価額
固定資産税などの計算に用いられます。土地と建物それぞれに定められます。三年に一回見直されます。以下の税金の計算に用いられます。
固定資産税
都市計画税
登録免許税
不動産取得税

③広範囲な知識が必要になる

不動産について対応するとき、税金の問題、民法や宅建業法の問題、建築知識、相続知識など専門的な知識が必要となりご自身だけで解決するのは困難なケースが多くなっております。

社長が個人的に不動産をお持ちで会社の後継者問題と相まって、お悩みになる方は少なくありません。今後ますます所有者不明の不動産も増えていきます。

では、どのようなケースで揉めるのが多いのでしょうか?
ひと昔前のように、資産は全て長男が引き継ぐというような家長制度であれば問題はありませんでした。しかしながら、そのような家庭も少なくなって、更にインターネットも発達し情報が多い現代社会で情報が溢れている中で、公平に分けるのは困難な状況です。「うちには揉めるほどの資産はないから大丈夫」とおっしゃる方もいます。しかし、相続で揉めるのは相続財産で5000万円以下が揉めるケースの75%を占めます。